280人が本棚に入れています
本棚に追加
「何なの、千歳。あいつには三倍掛け位に態度悪いな」
「……ウザイんだよ。ずかずか勝手に近づかれんの、嫌いなんだ」
「それだけか?」
神楽は千歳の言葉を深追いする。今までそんな事もしなかった。
「神楽も根掘り葉掘り聞くんじゃねえよ。お前も嫌いになるぞ」
「嫌いになってもいいけどよ。千歳が寂しくなって自爆するだけじゃねえか」
「そんなん、しねえからいっそ放って置いてくれ」
千歳は神楽にも苛立ちを覚え、歩く速度を早め先に部室に向かう。寂しくなどならない。千歳は誰にも感情移入をしないのだから、誰かを必要以上に気にかける事もない。今までそうであったのだが、今の千歳は他人の些細な事にすぐに苛立ちを感じる。調子を狂わされる様な気がして、苛立ちは更に増す。
最初のコメントを投稿しよう!