第1章

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そうとだけ、残して。 私たちは別々の道を歩き出したのだった。 からからから……という、〆くんが押していた自転車のタイヤの音が、今でも忘れられない。 殻柄空(からからから)――。 殻……私たちは、お互いの殻に閉じこもっていた。 柄……私たちは、柄でもないデートなんかをした。 空……そして、その出来事は何もなかったかのように、空っぽのものだった。
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