第1章

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仕方なく、ボウリング場に併設のゲームコーナーに私たちは入った。 でも、高校生になりたての、まだ懐事情は中学生だ。 当時のボウリングのゲームは、確か学生料金でも6、700円。 それを数ゲームすると、途端に財布は軽くなってしまう。 だから、私と〆くんは、ゲーム機で楽しそうにはしゃぐ高校生や大学生を横目に、ただ場内をぐるぐると見て回るだけだった。 ボウリングのピンが倒れる音や、ゲームコーナーの電子音で、会話もできたもんじゃなかった。 恋人同士でもないので、手をとりあったり、肩を並べて歩いたりもしない。
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