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部屋着のティーシャツを脱ぎかけたところで手を止めた。
「圭、なんで見てるの。ていうか、まだいたの」
洗濯カゴを抱えたまま、圭はジッと僕を見ていた。さすがにいくら男同士でも、共同浴場とかでない限り着替えは見られたくないな。
「圭」
「え、あぁ、ごめん。洗濯、洗濯っ」
動きを見せない圭に再度声をかけると、ハッとして寝室スペースから出ていった。
無事に着替えを済ませ、寝室を出る。ネクタイだけは昔から苦手で、職場に着いてから誰かにやってもらっている。そのため今は首回りがフリーだ、ついでに暑いからボタンも二番目まで外してる。
「じゃあ、行ってくるから」
洗濯機まで行くと圭はちょうどスイッチを押したところだった。全自動って便利だよね、奮発して買った甲斐があった。
「あれ、伊万里。ネクタイは?」
「あるよ。でもうまく出来ないから、あとでやってもらう」
ポケットから丸めたネクタイを見せると、圭はちょっと考えた顔をした。素直に表情が変わるからわかりやすい。
「貸してみ、やってやる」
「暑いからいいよ」
断る僕。
「バカ、見て覚えろって言ってんの」
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