順応

3/3
前へ
/827ページ
次へ
「怒らないでよーっ!だって空腹で眠れなかったのよーっ!」 志織の反論に優二と修平は黙った… 「おい…優二…お前…食糧どれくらいある?志織に分けるだけあるか?」 修平の問いに優二は言った… 「ふざけるな!俺だってチョコレート1枚しかないんだ…何でこんな女に分けなくちゃいけないんだ!お前が分ければいいだろう!」 「いや…俺もチョコレート半分しかない…」 修平は魚の缶詰をリュックの奥に押し込んだ… 「あたしが悪いのよ…大丈夫よ…1週間くらい食べなくても…」  志織は二人に背を向けると横になった…二人は何も言えなかった… 「食糧もそうだがランプも大事だ…多少寒くてもギリギリまで使わないでおこう…」 夜中…志織は空腹の為に目が覚めると…雪を食べ始めた… 「シャク… シャク…」  それから3日が過ぎると…二人の隠しておいた食糧も底を付いた… 二人に焦りの色が見え始めた… ビュゥゥゥーッ…   「今夜は冷えるな…仕方ないランプを使おう…」 修平はランプのオイルを志織に取るように促すと… 志織はオイルを持ちながら歩み寄ると…オイルを床に垂らした… トポ…トポ… ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・! 「何をやってるんだーっ!正気か!」 修平は志織に怒鳴ると…志織は微笑しダウンジャケットを脱いだ… 「ダメよ…ランプなんかで燃やしたら…部屋の中が暖まってしまうじゃない…」 志織は更に服を脱ぐと…全裸になった… 「あたしね…おかしいのよ…全然寒くないし…お腹も空かないのよ…どうしたんだろう…」 「この…極寒に…身体が順応している…」 修平が驚愕していると…志織は優二の頬にキスをした… 目の前で… キスをした場所から蒼白く肌が変色を始めた… 終わり
/827ページ

最初のコメントを投稿しよう!

425人が本棚に入れています
本棚に追加