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歩行禁止区域
「ヤバイ…11時回っちゃったよ…」
齊籐 咲良(さいとう さくら)は、26才の会社員…
この地域は夜の11時から…翌朝6時迄は外出禁止エリアだった…
家賃は3万円…破格の安さだが、この土地は曰く付きの土地だった…
それは広大な無縁仏を埋めた土地を再開発して住宅街にしたのだ…
咲良の住む地域の半径500メートルが、その区域に属し…
他の区域とは黄色い巾が10センチのラインで標記をされていてラインから危険区域に入ると家賃は極端に安くなった…
そのエリアに住む上での注意事項。
1、11時以降に霊体が浮遊する為に通行は困難である事。
2、夜間は電気を付けて就寝する事。
3、深夜に呼鈴やドアを叩く音がうるさい事。
以上の3項目が、注意事項であり…その注意事項を無視すると…
悪霊に憑依された…
ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・!
過去に冗談半分で、このエリアに住み…数え切れない人間が、悪霊に憑依され命を落としていた…
咲良は、その日飲み会で遅くなり11時を回ってしまっていた…
コツッ… コツッ…
咲良は緊張しながら駅からの道を歩いていた…
それは…数週間前…咲良がベランダでタバコを吹かしている時に…咲良と同じくらいの若い娘が歩いてきた…
あっ…!
咲良は女性を見て、驚いた…この物件に住んで半年…11時以降に人が歩いているのを見たのは初めてだったからだ…
女性は慣れた歩きで、向かってくる霊を交わしていた…霊の動きは単調だった、注意すれば簡単に交わせる…咲良は感心しながら女性の動向を見つめた…
スゥッ…
横のブロック壁からいきなり表れる霊も、予測していたかのように立ち止まり交わすと、女性が咲良に気が付いた…
「早く!早く逃げて!」
咲良の声に女性は、微笑し片手を上げた…
その後…
前方から横一列に並んで霊が数体表れると…女性は慌てて後を向いた…
後から、動きが速い数体の霊が…ジグザグに小走りに迫ってきていた…
ギャァァァァァァン・・・・・!
「逃げてぇぇーっ!」
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