425人が本棚に入れています
本棚に追加
咲良が絶叫すると…
女性は観念したように立ち止まり…微笑して目を閉じた…
その後は、後から迫ってきた霊が女性の体に吸い込まれると…
女性の顔色が真っ青になり…その場でブロック壁に何度も頭を打ち付けて…
死んだ…
霊は…生前の行動パターンを取るのではなく…彰かに人間を憑依して殺す目的を持っている事を認識した…
そして今…咲良は黄色い境界線の前で深呼吸をしていた…
そうだ… 明義に電話しよう…
咲良は彼氏に電話をした…
プルルル… 「はいっ…」
「あっ…明義…あたしだけど…今日ね…飲み会で遅くなっちゃって…家の前の境界線に居るの…」
「お前…気を付けろ!しょーがねーな…迎えに行くから、そこに居ろよ!」
彼氏は咲良の地域を認識していた…何度も引越しを促したが、咲良はお金を貯めていた為に、このエリアに留まり…彼氏も、そんな咲良の頑張りに協力していた…
20分程で彼氏は到着した…
「まったく…心配させんな!今日は俺の家に泊まれ…明日朝に帰ればいいだろ…」
彼氏の言葉に咲良は、彼氏の腕をギュッと、しがみついて頷いた…
翌日、咲良は少し早く起きて帰宅した…昨夜の禍々しい雰囲気とは真逆の静寂な朝が辺りを包んでいた…
急いでシャワーを浴びて身支度をすると、慌ただしく出勤した。
それから数日後…
夕方に帰宅した咲良、テレビを見ながら寝てしまった…
「んっ…?」
辺りの暗闇に、咲良は時計を見て驚愕した…
11時20分…
「いけない!電気をつけなくちゃ!」
慌てて照明スイッチをオンにすると、嫌な音が響き…真っ暗になった。
バシッ…!
「ブレーカーが落ちたんだ…!」
ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・!
咲良の住むエリアで、夜間照明を付けないのは自殺行為…何故なら…亡霊達は暗い場所なら何処でも行動するからだ。
「大変!ブレーカーを!」
咲良がブレーカーのメインを上げたが…また切れた…漏電遮断機が作動していた…
「何処かで配線がショートしているんだわ!」
咲良は彼氏に電話をした。
最初のコメントを投稿しよう!