歩行禁止区域

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咲良が絶叫すると… 女性は観念したように立ち止まり…微笑して目を閉じた… その後は、後から迫ってきた霊が女性の体に吸い込まれると… 女性の顔色が真っ青になり…その場でブロック壁に何度も頭を打ち付けて… 死んだ… 霊は…生前の行動パターンを取るのではなく…彰かに人間を憑依して殺す目的を持っている事を認識した… そして今…咲良は黄色い境界線の前で深呼吸をしていた… そうだ… 明義に電話しよう… 咲良は彼氏に電話をした… プルルル…   「はいっ…」 「あっ…明義…あたしだけど…今日ね…飲み会で遅くなっちゃって…家の前の境界線に居るの…」 「お前…気を付けろ!しょーがねーな…迎えに行くから、そこに居ろよ!」 彼氏は咲良の地域を認識していた…何度も引越しを促したが、咲良はお金を貯めていた為に、このエリアに留まり…彼氏も、そんな咲良の頑張りに協力していた… 20分程で彼氏は到着した… 「まったく…心配させんな!今日は俺の家に泊まれ…明日朝に帰ればいいだろ…」 彼氏の言葉に咲良は、彼氏の腕をギュッと、しがみついて頷いた… 翌日、咲良は少し早く起きて帰宅した…昨夜の禍々しい雰囲気とは真逆の静寂な朝が辺りを包んでいた… 急いでシャワーを浴びて身支度をすると、慌ただしく出勤した。 それから数日後… 夕方に帰宅した咲良、テレビを見ながら寝てしまった… 「んっ…?」 辺りの暗闇に、咲良は時計を見て驚愕した… 11時20分… 「いけない!電気をつけなくちゃ!」 慌てて照明スイッチをオンにすると、嫌な音が響き…真っ暗になった。 バシッ…! 「ブレーカーが落ちたんだ…!」 ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・! 咲良の住むエリアで、夜間照明を付けないのは自殺行為…何故なら…亡霊達は暗い場所なら何処でも行動するからだ。 「大変!ブレーカーを!」 咲良がブレーカーのメインを上げたが…また切れた…漏電遮断機が作動していた… 「何処かで配線がショートしているんだわ!」 咲良は彼氏に電話をした。
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