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お見合いの罠
長沢 花(ながさわ はな)は、婚活中にその不思議な広告を見て、電話をした…
息子・息子の友人の花嫁さん募集
健康な20才から29才迄の、スポーツが好きな方。
都内の旧家で同居が条件になりますが
生活費と交際費を全て負担します。
息子、友人二人の計三名の花嫁さんを募集致します。
当日はお気軽に、御越しください。
えっ…! 都内の持ち家に住んで…
しかも生活費が掛からないの…!
たまたま見た雑誌の最後の頁に挟まっていたモノだった…少し怪しい感じもしたが、好条件を確認したくなり…
花は直ぐに電話をした…
「あの…広告を見ました長沢花と申します…あっ…いえいえ、こちらこそいきなりお電話しまして、恐縮です…」
花は、主催者らしき女性と話をすると、開催日時等を詳しく訪ねた…
そしてお見合い当日…
「確か…この辺なんだよなぁ…えっと…3丁目った…」
花が辺りをキョロキョロしていると…同じ様に辺りを見る女性が声を掛けてきた…
「あなぉ…ひょっとして…好条件のお見合い会場を探してますか…?」
「えぇっ!あっ…貴女もそうですか?」
花が言うと、女性が嬉しそうに言った…
「よかったぁ…あたし不安だったんですよ…何か好条件過ぎて逆にあやしい?」
逆にを使い…疑問符で終る…
今時の会話に花は、ぷっと吹き出した。
「あぁ!なぁにぃー?今の…」
女性が笑いながら言ったので、花は安心して自己紹介した。
「私…長沢花って言います…歳は25才です。」
「あたしは、神谷翔子、歳は26才…お互いに少し早いよね…でも好条件じゃん!もったいなくてさぁ…」
いかにも今時の女性といった雰囲気の翔子に、花は昨晩迄の不安感は消し飛び、楽しみに思えてきた…
「あっ…花ちゃーん!ここ!ここ!すっげぇデカイ家…」
翔子が指した先に…都内では不似合いな洋館が表れた…
「すごい…」
二人は圧倒されながらも、インターホンを鳴らした…
「はぁ~い…今行きます!」
インターホンで話さずに、上品な女性の声で、今行きますと告げられると二人は巨大な門の前で暫く待った。
数分すると、品の良い女性が笑顔で小走りに走ってきた…
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