めざめ

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『でも、そんな君達だから頼めることがある。僕の護衛さ。』 『護衛ですか?。』 東谷さんの言葉に俺は反応した。 この人の護衛…したくない。 『実は最近どこかの誰かが僕が今度学会で発表しようとしてる論文を盗もうとしてくる人間がいてね。その犯人を捕まえたいわけさ。その論文はある特殊能力者の論文なんだけど。それを狙ってる人間に全然心当たりがなくてね。それで君達の出番さ。』 東谷さんはそう言って俺達を指差す。 俺と白馬はキョトンとした顔で東谷さんを見る。 『どういうことですか?。俺達の能力はあなたを護衛する役には立ちませんよ。それならもっと優秀な能力者がうちの隊に居ますから紹介しますけど?。』 俺がそう言うと東谷さんは大きくため息を吐く。 『はぁー。君は馬鹿なのかい?。言っておくが君達みたい価値のない能力者を使うのには理由があってね。その論文を狙ってるのが別の科学者かもしれない。だから、もし優秀な能力者を僕が雇えばおそらくそいつは姿をあらわすことはないだろう。その特殊能力者を恐れてね。でも、君達みたいに僕しか覚えてないような能力者を使えばおそらくその犯人はのこのこと姿を現わす。そして、君達はそいつを捕まえてくれればいいわけ。分かる?。』 東谷さんは赤ちゃんをあやすようなゆっくりとした口調で言った。
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