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うるさい。
内心そう思いながらも俺は依頼主の不満は言わないという規則の元ため息を吐くだけにとどめた。
『白馬はどこ行ったんですか?。』
隣に座ってきた東谷さんの方は見ずに俺は聞いた。
すると東谷さんは少し困った顔で俺を見る。
『あはは。荷物が増えたからねー。1度車まで行って荷物を置いてくるように頼んだんだ。まだ買いたいものもあるからね。』
東谷さんは一切申し訳ないとは思っていない感じできっぱりと言った。
白馬。かわいそうに。
俺は心の中でそう思っていた。
『ってまだ買うんですか?。もういいでしょう。』
俺はあきれた顔で彼を見て、そう言った。
『買いだめしときたいんだよ。僕は忙しい身でね。次いつ、暇をもらえるか分からないんだよ。僕は。寝る時間もほとんどないぐらいなのだから。それよりも。お腹減らないかい?。近くのフードコートに美味しい牛タンが食べれるみたいなんだけど。』
東谷さんはパンフレットを開けながら目を少年のように輝かせている。
本当に年上なんだろうか。この人。
『しかし…。』
東谷さんは呟く。
その顔は先ほどとは違いどこか遠くを見るような顔。
『平和な世界だよね。今は。』
それがまるで嫌かのように。
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