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『はい。隊長。ええ。今回の依頼主であるマダム西田の迷い猫。無事に確保しました。はい。では、今からそちらに戻ります。』
白馬はそう言ってニコリと笑い、電話を切った。
『全く。世界は平和ボケしすぎてて俺達Ridにもこんな依頼ばかり。迷い猫探し、落し物探し、果てはじいちゃん、ばあちゃんの話し相手。もっと大きな事件とかないものかね。』
俺はため息まじりにそう言った。
黒のベンツを窓をあけて運転する。
排気ガスの不快なニオイが混じる。
『あはは。でも平和なのはいいことじゃない。僕も黒夢も事件に巻き込まれて大切な人を失ってる。だから、今ぐらい何もない方が社会にとってはいいことなんだよ。』
白馬は苦笑いし、そう語った。
マダム西田の愛猫を撫でながら。
人懐こい猫だ。
白馬に撫でながら、本当に喜んでるのがわかる。
『…ああ。分かってるよ。俺だってそれを望んでるよ。』
俺は運転しながら、そう思った。
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