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最果 利津(さいはて りつ)。
黒のボブカットにキッと強い鋭い目をしている女性。
体はそこまで大きくないが胸は大きい。
それが社内の人間の見た目の寸評だ。
『それで、今度の仕事は?。』
ニヤニヤと俺に近づき、利津は聞いてきた。
こいつはいつも、俺達が大した仕事をしてないのを知ってて冷やかしで聞いてくるのだ。
『失ったものを取り戻しに行く仕事だ。』
俺はそう言ってムカつくから利津のコーヒーを奪った。
そして、熱いのをガマンして一気飲みする。
『きさまー。私のコーヒーを奪うとは。私の特殊能力(スキル)を使えばお前なんか。』
利津は俺を睨み、奪われたコーヒーを恨めしそうに眺めていた。
特殊能力(スキル)。
そうだ。これが俺達Ridのほぼすべての人間が持ち合わせているいわゆる魔法みたいなものだ。
みんなもRPGをやったことあるなら見たことあるだろう。
火を使う主人公や、水を司るヒロイン。
俺達はそんな特殊能力を持っているのだ。
ちなみにこの利津は物理の使い手だ。
簡単な能力としては。
『物質制御(マテリアル コントロール)!。 』
利津は能力を発動した。
その辺のコーヒーカップやら湯呑みポット。果てはナイフまでが浮き上がる。
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