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「延命するにも何かしらのものが必要でね?懐中電灯に電池、家電に電気がいるように。体が生きてるだけでよければ現代の医療技術でなんとかなるけど、魂を現世に繋ぎ止めて健常に生きるにはそれなりのものがいるわけよ。だから私の魂をちょっとちぎって接着剤兼燃料がわりにしたわけ。要するに君は私の分身に近いものよね。」
手付金=猫の魂の欠片、俺+猫片=??
「君が天寿を全うした暁には君と私の混ざった部分が分離して回収される予定だったんだけどね...」
(天寿を全うせずに諦めて死んだから分離せずに回収された...?)
「That's rights.」
無駄に発音いいな、そもそも猫の声帯で人語話せるのか...?
「正確に言うと君の魂の一部が欠けた状態で昇天して、私の欠片と君の魂の一部が混ざったものが今の君かな。」
まさかの俺片+猫片=子猫(俺)かよ
(あれ、一部欠けてるって大丈夫なの?)
「うーん、大丈夫っちゃ大丈夫なのかな。生まれる時かその前の段階でだいじょばない可能性があるけど。」
(大 問 題。)
「性格か体に異常が出るとか、幸薄とか、短命とか、うん、軽くこんなもんだよ。酷いと崩れたり割れたりするかもだけど。」
(どうにかならないのか?それじゃ俺があまりにも不運すぎる。)
「え?でも今の君とは関係ないよ?もう1個の君として一応安定してるし。」
(え?じゃあ人間に戻れない?)
「今ここで私と話している君と言う存在は、新しい何かなんだよ。機械に君の思考や記憶を移植できたとして果たしてそれは本物の君?それとも別人?ただの機械?君の言う人間の定義がわからないけど、死ぬ前の君と言う存在に戻れるかと言われたら答えは否だね。そもそも、きみは誰?自分のことをどれだけ思い出せる?」
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