楽園

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なんてこと、最近誰にも名前呼ばれてない...。 「こうなったら暫定で呼び名つけとく?今の君の体勢からオルザリータなんてどう?」 (却下。もっとこう俺の特徴とかを生かしてさ。) 「でも、君の姿は私のまんまだし、大したことも覚えてないんだからどうしようもないよ?そのまんまナナシとか?」 (俺の個人情報がまさかの誕生日と命日しかわからない件。) 「4月1日だっけ?日本だとわたぬきとも読むね。あとはエイプリルフールとか?嘘つく日だしライアーとかダウトなんてどう?(笑)」 (わたぬき以外だと胡散臭さMAX過ぎて名乗った瞬間勘ぐられること必至。とりま、わたぬきで。) 「漢字は四月朔日にしとこう。日本人でも読めるかどうかわかんないけど。」 (はじめまして、ワタクシ四月朔日と申します) 「うん、知ってる。何言ってんの?」 言ってみたかったんだもん!なんか四月朔日ってかっこいいんだもん! 「でもこれ漢字教えちゃダメだし、名前として名乗るのはいいけど名前じゃないからね?」 (ん?どゆこと?) 「私も猫、君も猫。でも猫にはロシアンブルーとかスコティッシュフォールドとか色々あるでしょ?で、君は突然変異とか交配とかでできた四月朔日っていう新品種なわけ。」 (...猫にこんなでかくなって人語話す品種あったっけ。) 「君の常識の中にはないね。まぁそこは気にしなくていいよ。君は私の種族の中でも特殊な生まれ方をしたユニーク個体だから関係ないし。」 (なんで漢字は教えちゃダメなの?) 「君の延命の時にも結んだ契約とか召喚と名のつく儀式は相手の細かい情報があればあるほど成功率や正確性が上がるんだよ。芋買ってきてってお使い頼まれるとさつま芋か里芋かわからないけど、じゃがいも:男爵いもって細かくお願いすればわかりやすいでしょ?四月朔日は一体しかいないんだから召喚されると成功すれば確実に君がお届けされちゃうよ?」 (そもそも召喚なんてする奴そうそういないだろ?) 「現代の日本人は知識がないから成功しないだけで、趣味が黒魔術とか興味本位でこっくりさんをやらかす人なんてザラにいるよ?地球上だともっともっといるだろうし、異世界なら供物も条件も揃えやすいし。」 ...異世界?
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