墜落

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リビングではコーヒーとトーストの香ばしい香りがした。 母上殿、本日は洋食でござるか。 「おはよう、トーストで良かったわよね?ロールパンもあるけど。」 拙者は味噌汁の...和食の気分で御座候。 「おはよう、よくわかったね。」 「あなたたちのことならなんでも知ってるわよ。あっちで誠二さんと待っててね。」 ...何を知っているつもりなのか。大人な本(ダミー)の隠し場所か?面白そうだから隣のクラスの婦女子にプレゼントされたハードなものを仕込んでたんだが。 「おはよう、昨日も遅くまでお疲れ様」 いつも誰とナニを頑張ってたんだか。 「ん、お前も遅くまで頑張ってたな。いつもお前の部屋だけ灯りがついている。偉いぞ。」 「接待に残業に部下の指導。そっちの方が色々大変でしょ?こっちは一人で机に向かってるからそれほどでもないよ。」 「上も下も俺をこき使うからな。中間管理職は辛いよ。」 使ってるのはドコなんやら。 「そういえば今年のお前の誕生日は凄いぞ?楽しみにしとけよ。」 「本当?毎年じいさまの遺した課題は楽しいんだけど、いつも死にそうなんだよね。」 あんたらのせいでね。 「空が好きなお前にプレゼントを贈りたかったんだろ。寿命がわかってから18歳になるまでの誕生日プレゼントを弁護士に手配させたらしいからな。」 「今年で最後か...。そういえば誕生日明けに相続の事教えてくれるんだっけ?進学の費用分くらいあったらいいんだけど。迷惑かけたくないし。」 「お前はそんなこと気にしなくていい。俺達もそれなりのものを貰えるから。」
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