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「……あんの男ぉぉ!! 人に屋根の修繕押し付けてどこに行きやがったぁぁ!! 出てこい!! 世界のオニクぅぅ!!」
そこは町外れにある教会の――小さな東屋の屋根の上。
その屋根の上で――両手に重い角材を抱え。
私、襲名クリエイター・六代目マチルダは絶叫していた。
ことの発端は。
これまた同じく、襲名クリエイター・十代目オニクが発したこの一言。
「マチルダ!! 男気ジャンケンするぞ!! 男気ジャンケン!!」
男気ジャンケンがなんたるかもわからず、成り行きでじゃんけんをさせられ、お約束というか、世界のオニクに負けた私は
「男気ジャンケンに負けたんだから、マチルダ、俺の仕事を手伝え」
と言われ、拉致られるようにして連れて来られたのが――教会の東屋の屋根の上。
基本的にクリエイターであることは隠しておかなければならない時代である。
ゆえに、オニクは普段は内装業をやっている。
駄菓子菓子ハウエバー。
私の前身は“禁書法特務治安部隊四番部隊長”
通称“死番隊長”として恐れられてはいたが……
はっきり言って、土木関係はズブズブの素人である。
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