すれ違い

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「マジか。」 「ああ。」 「え、もしかして、剣道部の人?」 興味津々な顔で俺を見る柊翔。 「・・・ああ」 そして、一瞬、不安そうな顔で聞いてきた。 「それって・・・男か?」 「・・・ああ。」 まだ、気になるってだけで。 要みたいに、手放せない気持ちとは、ちょっと違うかもしれない。 ただ、時折みせる、あの人の優しい笑顔に、目が離せなくなることがある。 「・・・そうか。」 たこ焼きを口に放り込む柊翔。 何か言いたかったのかもしれないが、たこ焼きとともに飲み込んでしまったようだ。 「・・・何かあれば言えよ。俺はお前の味方だからな。」 まったく。 こいつは。 ムカつくくらいいい男だ。 「ああ。」 「あ、俺、焼きトウモロコシ買ってくるわ。」 勢いよく立ち上がると、屋台の並ぶ参道に向かって行った。 俺は手元に残った焼き鳥の串と、プラスティックの受け皿を持って、ゴミ箱を探した。
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