すれ違い

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俺は静かに朝比奈先輩の隣に座った。 「変な体制で寝ると首痛めますよ?」 こっそり呟くと、"ん・・・"と返事をする。 無意識なのに、嬉しくて。 ゆっくりと、朝比奈先輩の頭に手をやり、俺の肩にのせた。 制汗剤の匂いと、先輩の汗の匂いが、鼻をかすめる。 あー。 なんだろ。 もう、この人。 俺は、ゆっくりと朝比奈先輩の唇に、自分の唇を重ねた。 「・・・ん・・・」 まだ、起きない。 眠り姫かよ。 先輩の下唇を甘く噛む。 ぷるんとした感触が、唇を余計に甘く感じさせる。 舌でゆっくりと唇を舐める。 この人、どこまでやったら、起きるだろう。 そんな悪戯な気持ちと、もっと味わいたいと思ってしまっている俺自身との葛藤で、朝比奈先輩を眺めていると。 「ん・・・?あ、あれ?馳川?」 ああ、起きてしまった。 「はい。お疲れ様です。」 つい笑顔で見つめてしまった。 そのせいか、朝比奈先輩が固まってしまった。 「先輩?」 「あ、ああ、ごめん、重かったろ。」 顔を真っ赤にして、身体を起こした。 ・・・なんか、この人、かわいいな。 思わずクスクス笑ってしまった。
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