466人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は静かに朝比奈先輩の隣に座った。
「変な体制で寝ると首痛めますよ?」
こっそり呟くと、"ん・・・"と返事をする。
無意識なのに、嬉しくて。
ゆっくりと、朝比奈先輩の頭に手をやり、俺の肩にのせた。
制汗剤の匂いと、先輩の汗の匂いが、鼻をかすめる。
あー。
なんだろ。
もう、この人。
俺は、ゆっくりと朝比奈先輩の唇に、自分の唇を重ねた。
「・・・ん・・・」
まだ、起きない。
眠り姫かよ。
先輩の下唇を甘く噛む。
ぷるんとした感触が、唇を余計に甘く感じさせる。
舌でゆっくりと唇を舐める。
この人、どこまでやったら、起きるだろう。
そんな悪戯な気持ちと、もっと味わいたいと思ってしまっている俺自身との葛藤で、朝比奈先輩を眺めていると。
「ん・・・?あ、あれ?馳川?」
ああ、起きてしまった。
「はい。お疲れ様です。」
つい笑顔で見つめてしまった。
そのせいか、朝比奈先輩が固まってしまった。
「先輩?」
「あ、ああ、ごめん、重かったろ。」
顔を真っ赤にして、身体を起こした。
・・・なんか、この人、かわいいな。
思わずクスクス笑ってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!