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「朝比奈先輩、なんか、急に伸びてきましたね。」
汗を拭きながら、爽やかな笑顔で、俺を褒める鴻上。
この笑顔に、何人の女子がやられてることやら。
「お前、後輩のくせに生意気。」
「アハハ。すみません。」
屈託のない笑顔のせいで、俺もマジでは怒る気にはならないが。
「そういえば、この夏の合宿、まだ参加表明してねーだろ。」
そろそろ締切のはずなのに、鴻上も馳川も何も言ってきてなかったはず。
今年もいつもと同じ大学の合宿所を利用することになる。
車の手配やら、食糧調達やら、去年までは俺たちの仕事だったけど、3年になると、それも卒業だ。
「あー、俺は出るつもりですけど、亮平はどうかな。」
道場の中央で、初心者の女子に捕まって練習を見てやってる馳川を見る。
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