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夏の日差しは朝からであってもキツイ。
剣道着を着たまま、合宿所の近くの農道を走らなければならないとか、勘弁してほしい。
そう思いながらも、3年目の今も俺たちは汗を流しながら走ってる。
「よし、ラストスパート!最下位と下から二番目は、午後の休憩のおやつの買い出し担当な!」
先頭をチャリで走ってたOBの掛け声で、一気に皆が自分の最後の力を振り絞って走り出す。
なんとか買い出し担当にならないために、俺も全力で駆け出すけれど、その俺を易々と追い越していく大柄な二人の背中。
「げぇ!若いっていいなぁ!」
俺と同じようなペースで走る宇佐美が、羨ましそうにこぼす。
「俺はお前らも若いと思うぞ~。」
その横をチャリで走ってるOBに"オラオラ~"と煽られながら、俺たちはゴールを目指した。
俺たちが着くころには、息を整えて楽しそうに話している馳川と鴻上。
やっぱ、鍛え方が違うのか。
スポーツドリンクを飲みながら、チラリと二人に視線をやる。
相変わらず女子の人気は絶大で、彼らの周りには女子マネ数名がへばりついている。
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