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「まったく、あの子たち、何しに来てんだか。」
4年の女子マネが苦々しく言いながら、後からゴールしてくるやつらにスポーツドリンクを渡していく。
馳川たちが悪いわけじゃないものの、他のやつらからしてみれば忌々しいと思われるに違いない。
なんだか気の毒だな。
そう思いながら、二人を見ていると、馳川と一瞬、目があった。
トクン
え?
なぜか、俺の心臓が軽く跳ねた気がした。
・・・不整脈?
俺は無意識に視線を外した。
「さて、今日はここの神社で夏祭りがあるらしい。早いとこ練習を切り上げたら、出かけるぞ。」
主将の和泉先輩の掛け声に、嬉しそうな声があがる。
楽しいことの前には、キツイ練習が待っていることを忘れるなよ?
練習場の熱気は、気温だけのせいじゃない。
俺自身がへばりそうになりながら、
「ほら、声だせっ!」
1年たちに向かって声をかける。
そして、自分自身へも気合いを入れた。
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