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熟睡していた俺は、突然アパートが崩壊するのではないかと思う程の揺れで、ベッドから放り出され目を覚ます。
放り出された拍子にぶつけた腰をさすり、立ち上がり電気を点けようとするが、停電しているのか点かない。
しかし部屋の中は、電気を付けなくても明るい。
理由は窓の外から差し込む、目が眩むばかりの強い光のせいだ。
足下に転がっていた目覚まし時計を拾い上げ、時間を確認。
まだ午前2時を過ぎたばかり、え? じゃあ外の明るさは何なんだ?
そこまで考えが浮かんだとき、1人暮らしの俺の部屋に、俺以外の誰かがいる事に気が付く。
そいつは本棚に背を預け、俺の蔵書、軽○沢シンドロームを読みふけっていた。
こいつが本棚に背を預けていたおかげで、俺は蔵書の下敷きにならずに済んだらしい。
って、チョット待て!?こいつ誰だ?
俺はそいつに声をかけた。
「お、お前、誰だ! 泥棒か!?」
そいつは、え? って、顔をしながら漫画から顔を上げ、返事を返してくる。
「僕……?」
「お前以外だれがいるんだよ! 」
「僕、死に神」
「死に神? 死に神が俺に何の用だ?」
「死に神の用って言ったら、決まっているじゃないですか」
「え? 俺の命を取りに来たのか?」
「ピンポーン、正解です」
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