ゲーム4

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意識を手放すギリギリでやっと解放され、後ろの木に体を預けた俺は高科さんを見上げた。 「どうしてって顔してるね。 簡単に言うと、君が好きだからかな」 高科さんがクスッと笑った。 「だから、諦めてね。 約束したよね。 君の時間はもう僕のものだよ」 高科さんは立ち上がって、辺りを見回した。 「このフィールド、気に入ったかい? 君のために作らせたんだよ」 え………。 「君をおびき寄せるの大変だったよ。 いつも回りにいらない蝿が2匹いて、なかなか近づけなかったんだ」 高科さんは俺の頬を愛しそうに撫でると、「もう逃がさないからね」と言った。 「それじゃあ、健人とバーで会ったのも偶然じゃないの?」 「さあ。どうかな?」 なぜだか、高科さんからは一生逃れられない気がした。 ……それでもいい。 今日初めて会ったのに、そう思わせる何かが高科さんにはあった。 「もう一回キスしようか?」 コクンと頷くと、 「伊吹はいい子だね」 そう言って高科さんは、今までで一番嬉しそうに笑った。 《完》
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