ゲーム1

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「うわ、うまそう」 高校からの親友である健人(けんと)がやってきて、俺の肩越しからハムサンドを取って食べた。 「真史(まさふみ)、誘ってくれてありがとうな」 真史というのは、高科さんの名前だ。 健人は誰とでもすぐに仲良くなれるので、人見知りの俺にはちょっと羨ましい。 高科さんにお礼を言った後、健人が背中から俺に抱きついてきた。 「伊吹(いぶき)、来て良かっただろ? 俺に感謝しろよ」 ちなみに、水原 伊吹というのが俺の名前だ。 「感謝ならお前じゃなくて高科さんにだよ。 すみません、礼儀知らずなもので」 代わりに高科さんに謝ると、「礼儀知らずってなんだよ」と健人がふくれている。 「その通りだろ。 健人、重い。どいてくれよ」 「嫌だね。伊吹が謝ったらどいてやるよ」 二人で押し合っていると、「仲がいいんですね」という声が聞こえた。 顔を上げると、高科さんが笑っている。 けれど、何だかさっきより冷たい表情をしている気がした。
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