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いや、途切れていないのかもしれないけど、少なくとも私には聞こえない。
聞こえないし、見えない。
あんなのと会話する必要性はない。
スライムに延々と仲間を呼ばせて、一回の戦闘でどれだけ狩れるかの世界記録に挑んだ方がまだ意味がある。
一気に間合いを詰めてからのハイキック。
一応、死なない程度に加減はしたけど、それでも、まぁまぁいったはず。
「あ、兄貴~」
どこにいたのか、吹っ飛ばされた男を追って、子分らしき人達が走って逃げていく。
あれに師事しているようじゃ、大したやつにならないわね。
まぁ、とりあえず、家の屋根を数軒飛び越えてとんでいったから、その辺の道に刺さってるでしょ。
とっとと回収して失せればいい。
「い、いいのかよ?
あとで仕返しされるんじゃ……」
未だに青い顔がとれないマリク。
大して恐い連中じゃないんだから、恐がる必要もないのに。
「あれは、非合法な金利で金貸しをしているところよ。
あそこからお金を借りても、返済義務はないの。
だから、いくらでも踏み倒していいのよ」
安心させるように、マリクに目線をあわせて優しく話しかける。
それにカミラクも続く。
「ナゴの言う通りだ。
おかげで、こちらは探検の資金に困らなくて助かっている」
さらにセリパも。
「そうそう♪
世の中、お金を借りても返さなくてもいい!って言ってくれる人がいるんだから、捨てたもんじゃないよね♪」
ほんとに。
どうしてそんな事が出来るのか不思議でならないけど、きっと、私達見たいなのと違って、お金が余って余ってどうしようもない人なんだろう。
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