真のコーラル

9/12
前へ
/14ページ
次へ
「う~久々に見えますね。 カミラク様の殺陣♪」 いつにもなく嬉しそうなセリパ。 確かに、カミラクの殺陣は綺麗だ。 セリパのような力強さも、私のような素早さもないカミラクの殺陣は、一撃必殺。 無駄な動きなく、一撃で急所を突く。 その姿には、エレガントな優美ささえ感じる。 今もまた、カミラクに気付いたバカ共がその周りをとり囲むも、顔色一つ変えることなく佇むその姿は、鷺の如く凛としている。 「てめぇ、昼間の姉ちゃんの仲間だな! ただですむと思うなよ!? 今にその服全部ひんむいて、泣き叫んでも、止めずに壊してやる! それから、一番汚いとこで一生働かせてやる!」 下劣な笑いをするバカ共。 悪いけど、ほんとにバカだと思う。 今の一撃で、自分には敵わないとなぜ思えないのか。 しょせん女だから……そんな思考がどこかにあるのだろう。 「おらぁ、いくぜ野郎共!」 リーダー格らしきバカの一声で、一斉に躍りかかる連中。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加