第1話 女帝様の日常

3/6
231人が本棚に入れています
本棚に追加
/99ページ
男子生徒 「あ、あの、ありがとうございます。あの、先輩………ですよね?」  この蒼架学園高等部は、ネクタイの色が学年ごとに、異なっている。1年生が赤・ 2年生が青・3年生が緑。男子生徒の傍に落ちているネクタイは赤で、クール美人のネクタイは青かったからだ。 クール美人 「俺は高等部2年の『瀬能 雪夜』だ。」 男子生徒 「ッ?!じ、じゃあ、貴方がじょっ………いえ、風紀委員長様?」 雪夜 「今、何と言い掛けた?いや、いい。だが、『様付け』されるほど、大したものではないよ。」  雪夜自身は、そう言うが充分『大したもの』なのである。だって、先月入学したばかりの1年生でさえ、雪夜のことを知らぬ者はいない。  いや、顔は知らずとも『瀬能 雪夜』の名を知らぬ者は、一人としておるまい。  この所謂『名門校』と名高い蒼架学園に於いて、理事長はおろか。学園運営に深く携わっている『生徒会』でさえも、一目置かざるを得ない『風紀委員長』。      ―蒼架の女帝『瀬能 雪夜』―  『女帝 』 と呼ばれてはいるが、雪夜は男だ。しかし、その誇り高く圧倒される雰囲気と美貌故、『女帝』と称されている。
/99ページ

最初のコメントを投稿しよう!