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男子生徒
「あ、あの、ありがとうございます。あの、先輩………ですよね?」
この蒼架学園高等部は、ネクタイの色が学年ごとに、異なっている。1年生が赤・ 2年生が青・3年生が緑。男子生徒の傍に落ちているネクタイは赤で、クール美人のネクタイは青かったからだ。
クール美人
「俺は高等部2年の『瀬能 雪夜』だ。」
男子生徒
「ッ?!じ、じゃあ、貴方がじょっ………いえ、風紀委員長様?」
雪夜
「今、何と言い掛けた?いや、いい。だが、『様付け』されるほど、大したものではないよ。」
雪夜自身は、そう言うが充分『大したもの』なのである。だって、先月入学したばかりの1年生でさえ、雪夜のことを知らぬ者はいない。
いや、顔は知らずとも『瀬能 雪夜』の名を知らぬ者は、一人としておるまい。
この所謂『名門校』と名高い蒼架学園に於いて、理事長はおろか。学園運営に深く携わっている『生徒会』でさえも、一目置かざるを得ない『風紀委員長』。
―蒼架の女帝『瀬能 雪夜』―
『女帝 』 と呼ばれてはいるが、雪夜は男だ。しかし、その誇り高く圧倒される雰囲気と美貌故、『女帝』と称されている。
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