第1話 女帝様の日常

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 独りになった、その場所で、雪夜は顎に指を絡ませ、考えた。あのゴリ男達は『前科』もあるし、襲われていた生徒は、可愛い系だったが、目立つ生徒ではない為、『親衛隊による制裁』ではない。 雪夜 (あいつらは『親衛隊』ではないし。もし、『親衛隊』なら、尚更あり得ない。)  雪夜が風紀委員長になる以前、いや、正確には高等部に上がる以前。『生徒会親衛隊』と言う存在は、酷いものだった。  まぁ、他の生徒にも『親衛隊』は存在するので、『生徒会親衛隊』が、全て悪いと言うわけではないけれど、問題行為が一番多かったのも事実だ。  だが、今の『親衛隊』は違う。何より、現在の『親衛隊総隊長』は、その人間性も統率力も、以前とは比べ物にならない。  そもそも。今現在、『親衛隊総隊長』をしている男は、雪夜のよく知る『信頼出来る人物』なのだから………。  実際。彼が『親衛隊総隊長』の任に就いてからと言うもの、『生徒会親衛隊による制裁』と言う事件は、起こっていないのだ。 雪夜 (『生徒会親衛隊』以外は、管轄外だろうな。)  そう結論付けて、踵を返す。いつまでも、ここにいるわけにもいかない。
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