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史織
「やっぱり、悠ちゃんの言う通り、『ウザい毬藻くん』なんだぁ。良かったー、うちのクラスじゃなくて。」
唯
「思いっきり、他人事だね、しお君。何か、ズルい。」
明らさまな、史織のはしゃぎっぷりに、『お冠』な様子の唯。『じとっ』とした恨みがましい目で、史織を見詰めている。
雪夜
「気持ちはわかるが、それは『八つ当たり』だ、唯。」
蒼架のクラスわけは、『家柄』『成績』『容姿』の3点から判断される。史織の場合、『家柄』故の『Aクラス』なので、史織の所為ではないからだ。
唯
「わかってるけど、僕『面倒臭い』のは、嫌なんだよ。」
雪夜
「そりゃ『面倒事』が好きな奴はいないだろうさ。誰だって『平穏』を望むだろう。」
そう。そして、雪夜は生徒達の『平穏』を護るために、日々『尽力』しているのだから。『蒼架の女帝』と称されていても、『上に立つ者』としての『器』を、雪夜はキチンと備えているのだ。
史織
「そーだねぇ。高等部の『平穏』は、雪ちゃんがいてこそだもんねぇ。」
雪夜
「………俺だけじゃ、無理だったな。お前達と、悠詩の努力の賜物だろうな。」
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