第8章 奥の手は最後に出すもの

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不意打ちのつもりでオーディが私を攻撃してくる!! ギッチィーン!! オーディのカトラスと私のシャムシェイドが交差して火花を散らした!! 「くそ、いつ分かった?」 オーディとしては、仲間のフリをして私の横に立ち、不意を突くつもりだったのだろう。 しかし、オーディの剣を私は見事に受けた!私がオーディをプレイヤーだと見破っていたから受けられたのだ。 そういう楽しみ方もあるかもしれないが、余程の事がない限りプレイヤーが正体を隠して、他のプレイヤーの仲間になる事はないだろう。 であれば、オーディは「オーバー・ヒート」発動時のMAX値を上げる為に……私の仲間になったのだ。 つまり、私を倒す為に仲間になった訳だ。 ギッチィーン!! まずいな。 かなりのパワーだ。スピードも速い!!さすがはステータスが「71」もあるだけの事はある。 【海賊GAME】の「HELP」には……他のプレイヤーをゲーム・オーバーにした時。または特殊イベントをクリアした時にステータスのMAX値が上がると書いてあった。 どれだけ、他のプレイヤーを倒したのか、オーディのMAXは「71」だ。それに対して私は「60」。 このままでは、とても太刀打ち出来ない…… 「あなたがプレイヤーだとは最初から気付いていましたよ」 ギンッ!! 私はオーディの強烈な突きをシャムシールで弾きながら言う!! 「なぜ、俺がプレイヤーだと分かった!!」 「あなたはこのゲームのキャラクターが、知らない事を知っていました……」 「どういう事だ?」 オーディの問いに私は説明をする。 この【海賊GAME】はリアルを追求する。プレイヤーが楽しめるようにと思っての事なのか、海賊の黄金時代と言われる十七世紀後半から十八世紀初頭を忠実に再現しているのだ。 なので、ゲームのキャラクターには皆、十八世紀までの文化や発明の知識しか無い。 しかしオーディは知っていたのだ。十八世紀の人間が知らない事を。
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