旅の途中

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ぼくは、相棒を探していたんだ。 ぼくの家は一般的な家だけど、いくつか家族のルールがある。 一つ。何かスポーツをやる事。サッカーでもバスケでも野球でもバドミントンでも卓球でもなんでもいい。でも、スポーツを必ずやる。 二つ。中学に入ったら、英会話スクールに通う事。これからは、英会話が出来て当たり前だ、という理由で。 三つ。歌をやるか、楽器をやるか。歌なら市民活動のグループで歌うとかで構わない。楽器はリコーダーだろうがトランペットだろうがなんでもいいけど、音楽教室に通う。 四つ。人を傷付けない。 五つ。味噌汁だけでいいから、料理が出来るように台所に立つ。 そして、六つ。中学生になったら、自分の手で飼いたい動物を見つけて育てること。 七つ。中学卒業までに純文学ジャンルの作家を1人でいいから定めて、その作品を全て読破する。 かなり多い、ルールだ。 で、その中の六つ目。ぼくは、そのルールを忘れていた。 何故か? 飼いたい動物が見つからずに、闇雲に歩きまわっていた疲れ、だろう。中学生だから、さっさと見つけて来い、と放り出されてしまっていた。
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