導かれた迷うもの

旅の途中

なんだか、足元がくすぐったい。

なんだろう？ 視線を足元に向ける。白い。フワフワの毛。……毛？ ボールか何か？ もふもふしているボールって、何に使うのか。なんだかちょっと解らない物に警戒してそうっと足をズラす。

毛のボールは、だいぶ大きい。白いボールだと野球のボールが真っ先に思い浮かぶけれど、こんなに毛は無いはずで。一体どこから転がって来たのだろう。

あ、いや、扉が開いているのだから、そこから入ってきたのだろう。でも、風は吹いていないし、この建物の周りで野球やその他のボールを使いそうなスポーツとか、見なかった。じゃあ、この建物の中でボールを使うのかな？

いや、でもそんなボールを使いそうな事があるように思えない。

じゃあどこからボール？

そんな事を考えながら、更にボールから身体をそうっと離していくと、そのボールが動き出した。動き出した？ ボールって、勝手に動き出すんだっけ？

ぼくは、ちょっと怖くなった。