君依存

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「…っせい?いっせい!一静ってば!!」 「っ………カナ?」 大声で名前を呼ばれ驚いて起きてみれば、恋人のカナが「もうっ!」と少し怒ったように頬を膨らませていた。 「そんな所で寝てたら掃除できないじゃない!外に行くか隅っこに行きなさい!」 怒る彼女を呆然と、リビングに寝そべったまま見上げる。 「…ちょっと一静さーん?聞こえてますかー?」 一向に動こうとしない俺の目の前で、カナは俺が起きているのか確認するように手を何度か振った。 そのヒンヤリとした手をそっと握りしめる。 「カナ…」 「ん?どうしたの」 カナが床に膝をついたから、すかさずその膝に頭を乗せた。 「ふふっ、どうしたの?今日は随分と甘えん坊さんだね?」 そう言って少し笑ったカナは、俺の髪を優しく梳いてくれる。 冷たい指先が地肌に触れるたびに、涙が出そうになった。 「俺な、今すっげー怖くて嫌な夢見ちゃったんだ」 「へーどんな夢?」 「あのなー」 と、甘えるようにカナの膝でゴロゴロと頭を動かし、下からカナを見上げる。 「カナが俺をおいていっちゃう夢。病気で死んじゃって…もう二度と会えなくなるんだ」 「ちょっと、いくら夢だからって人を勝手に殺さないでくれる?」 「ははっ…うん、ごめん…ごめんねカナ」 俺を見下ろすカナの頬に触れてみる。 その頬もやっぱり冷たい。 頬を触る俺の手に、カナの冷たい手が重なった。 ああ、何で君の手はこんなにも冷たいのだろう…。 何で冷たいことに気づいてしまうのだろう…。 カナが微笑む。
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