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「ベゴニア・ラブミーっていうの…」
「べごにあらぶみー?」
小さく頷いたカナが、泣きながら笑った。
「花言葉はね『あなたについてゆく』なんだよ」
「ぇ…」
「貴方の…一静のお嫁さんになりたかったなー」
「カナっ、」
「なんで私死んじゃったのかな?」
「カナ、」
「死なないって、貴方をおいて逝かないって言ったのに、」
「カナ…」
カナに手を伸ばす。
だけどこんなに近くにいるのに、カナに触れられない。
どんなに手を伸ばしても、もうカナの頬に触れることも、カナが俺に触れることもできなくて。
ただただ二人ボロボロと涙を流すだけ。
「っいっせい…」
震えるその声に応えようと「カナ」と呼んだはずなのに、声が出ない。
カナが涙を流したまま綺麗に微笑む。
「おいて逝ってごめんね。貴方を……ずっと愛してるわ」
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