君依存

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「カナっ!……、」 目を開ければ、そこは見慣れた自分の家のリビングだった。 ああ、やっぱりあれは夢だったんだ。 夕日が差し込むその部屋は、さっきまで見ていた夢となんら変わらないというのに、 ただ君がいないだけで、こんなにも色あせて見えるなんて…。 流れる涙を乱暴に拭い、ベランダの窓を開いた。 隅っこに鎮座する鉢植えの前にしゃがむ。 「カナ…」 ピンク色の小さな花の群れを指でつつく。 擽ったそうに小さな花たちが揺れた。
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