序章

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  生命がいくらか、その豊かさに溺れ始めていた頃。 和統を武力権威で治めていた『騎士』と、当時最も精霊に理解を深めていた『専一魔導士(ラディ・エコル)』。 二つの“非均衡(アンバランス)”が、皮肉にも引かれ合い、均衡をなそうと少しだけ、歩み寄った。 しかし文明は、互いを受け入れる事など到底不可能なまでに掛け離れたものになっている。 西東に二分され存在する大陸は互いを隔てる大地の形と変わらず、その主張もまた真逆であった。 ぶつかり合う意思。 互いの権力を誇示する二つの大陸は、文明と共に。 やがて完全に対立し、戦乱に明け暮れるようになる―――。  
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