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『私が感じ取った光は五つ。トトキがあの光の扉を開く間合いで、ユメイを護るようにと咄嗟に決められた者達以外は、残念ながら彼自身と共に…止めた時を護るための柱となり、杠葉に留まり続けています。』
「五つ……五人は杠葉を離れて無事なんだね。そしてその五人を、僕が探しに行く。」
『いいや、主を探すのは護人の役目だ。彼の者らも…今の光の共鳴でそなたの無事を悟ったはず』
「じゃあ僕は」
『氷と炎が眠る場所を一刻も早く突き止めるが先決であろう。天紅は炎の眷属…触れた経験のあるライが、我が必ずそなたを導く。』
「ありがとう!じゃあまずは炎の精霊を探したら良いんだね!」
風がやさしくそよいだ。
「うむうむ。落ち着いたのう!ではユメイ、今からそなたにラルキアの洗礼を与えるぞ。着いて参れ。精霊らは主に戻り、供をせよ。」
『御意。』
『畏まりました~。ユメイ、またお逢いしましょう。』
「うん、ありがとう…ルルナさん!」
『まぁ。その名で呼んで下さるのですね。次はぜひ、水翠でお逢いしたいものです。…それでは。』
幻想的な光が消える。
リアラルクが元の木々の営みを、景色の彩りを取り戻した。
「此の常緑…聞き分けのよい精霊は今の二人くらいじゃ。主を持たぬ者は……手強いぞ。」
ルリとライが意識を調える間合いで、ミナギはユメイに囁く。
「……うん。少しだけ入って来た。」
「特に氷には気を付けよ。」
「…ありがとう。」
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