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ユメイは考えた。
目覚めた風の、以前の持ち主は父であるアカツキだと思っていたが、ライは其の事実を否定した。
精霊に至っては追わなければならないと思っていた破壊神の存在すら・である。では自分達は一体、何を追うために選ばれ、此処に居るのだろうか。
時季詠弥へ行けばわかるだろうか?
破壊神が眠っている筈の場所に、本当は何が棲み着いているのか。怒り炎だと聞いているから精霊だろうか、或いは。
ユメイの中で、世界が一気に別のものになった。
二人(ルリとライ)に声を掛けながら。
ミナギの後を追った足が僅かに進むことを拒む。
「どうした」
ライが後方からユメイを案じた。
半球の浮島のような形をしたリアラルクは、真ん中に聳え立つ豊かな木々の“下”に世界の歴史を記している。
入り口はラルキアの中でも選ばれた者にしか開けない。ミナギが数人の護衛に地上の番を任せ、先に階段を下っていくので、三人は追ってその道を進んでいた。
少しずつ、光が減っていく。足許と手摺りにしか点されていない灯に不安を覚えたのか。
迷っているのが明らかだ。
それはユメイ自身にも理解できた。
振り返ると、同じく少しだけ不安そうに手摺りを頼っているルリと目が合う。幸い階段は二人分と少しの広さがある。
ユメイはルリと並んで歩く事にした。
「師匠は…何処まで知ってるの?時季詠弥のこと」
「其れを今から、ミナギがお前に見せる」
「ミズキも知ってる?」
「ラルキアは其れが使命だからな」
「知ってるのに…待っててくれたんだね、」
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