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自分自身の若かりし頃に、悪の限りを尽くした経験と、そして亦、ウェイトリフティングの世界でオリンピックのブルガリア代表候補の一人に名を連ねた程の腕っぷしの強さを持ってすれば、親子ほど歳の差のあるグリゴールを手なずける事など、ヴィンリーにとって造作の無い事であった。
先ず、連中が警官隊を相手に暴れているところへ行き、実際に警官を相手に喧嘩をすれば、後は自然の流れで何とかなるだろうと、ヴィンリーは考え、そして実行した。
結論から言えば、ヴィンリーは計画通り、グリゴールと信頼関係を結ぶ事に成功したのであるが…
但し、計算外の事もある。
つまり、度が過ぎたのだ。
ヴィンリーがグリゴールを手なずけるにあたり、少しばかり感情を込め過ぎてしまったところへ、グリゴールの方も亦ヴィンリーに対して、強い信頼と親しみの念を抱いてしまったのである。
簡単に言えば、二人は馬が合ったと言う事だ。
それは同時に、諜報員としては二人揃って失格と言う意味でもあった。
その結果、グリゴールは“ヴィンリーのbar”へ再々、顔を出す様になったのだが、肝腎のイヴァンはその影すら見えなかった。
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