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……ピタ。
と、ベッドが軋む音と共に、快調だった俺の腰の動きが止まる。
「……江茉さん?」
「はい。あ、ちょっとそのまま止まってて下さい。少し休ませて」
「江茉さんになんて?」
ふぅ。と軽く息をついたゆずは「へ?」と間抜けな声で俺を見上げ、不思議そうな顔をした。
「『股関節……ていうか関節って、どうしたら柔らかくなるんですかね?』って」
「そしたらなんて?」
顔を近づけて汗ばんだ額を合わせると、今度は「え?」と聞き返し、首を傾げる。
「『困った事がないから分かりません』て言ってましたけど、携帯で何か調べてくれて『酢を飲むと良いらしいですよ』って教えてくれまし」
「馬鹿者」
合わせた額をグリグリと強く押しつけると、「いたたたたたっ」と声を上げ、俺の肩をペチペチと叩いた。
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