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「環ちゃんは?」
解錠して玄関の扉を開け、靴を脱ぎながら尋ねた。
「晩ご飯作って、鍵を渡して出てきました」
『馬鹿』と言った意味が分かっているような分かっていないような答え。
「そ」
軽く返事をしてリビングに入ると、コンビニの袋をテーブルに置き、ソファーに腰かけた。
ゆっくりと部屋に入ってくるゆずを見る。
「で。何しに来たの?」
「『今夜空いてる?』って聞かれたからです」
首の周りに控えめなビジューが付いた淡いグレーのカットソー。シンプルな黒のスカート。
服装もバッグも最後に彼女を見た時と変わりない。
環ちゃんが泊まる用意をしてから慌てて来たんだろうか。
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