白狐、あの頃を振り返る。

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自室に戻ったはいいが何も考えたくなくて布団に突っ伏した。 私の過去はろくなもんじゃない。 今思い出すだけで吐き気すら感じる。それくらい、異常で退屈な日々を過ごしていた。 『なんだお前。捨て犬か?』 あのとき、あの方に見つけてもらえなかったら、今もあの地獄が続いていたかもしれない。 そう考えるだけでゾッとする。 「……寝たくは……ありませんね………」 眠気に抗うように目を擦る。 こんな気分のときに寝たら嫌な夢を見そうで怖いです。 けれど最近睡眠時間を減らして仕事に没頭していたことも相まって、次第に私の意識は暗闇に落ちてしまいました。
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