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「いいんです。今は仕事が恋人ですし、一生独身でもいいと思っているので」
「逞しいな。そんな西蔵に、朗報だ」
ニヤニヤとした表情になった渡中さんに、私は咄嗟に背筋をピンと伸ばす。
「な、なんですか…」
「まあ、そんなに身構えるな。
今度、ウチと経営企画部の合同プロジェクトが始まるのは知ってるか?」
「本当だったんですね、それ」
私が配属しているのは、経営戦略部。
その中でも、私は主にマーケティングを担当している。
指定された企画やその調査、集客計画やコストダウンまで、幅は広いけれど充実した日々を送っている。
そして私が風の噂で聞いたのは、会社の華型である経営企画部との合同プロジェクト。
なんでも、随分と大掛かりなものらしい。
「まあな。それでな…」
ガサゴソと身辺を漁る渡中さんは、やがて数枚の資料を持って私のデスクへやって来た。
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