第1章

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私の周りには、とにかく女性があまりいないのだ。 中期から長期に渡るプロジェクトを担当する私の部署には、圧倒的に男性が多い。 「前の彼氏と別れた原因、相手の女みたいな理由だったよな?その時も、西蔵は全然落ち込んでなかった」 「忙しくて中々会えない事に向こうの不満が募ってフラれました。その時は仕事で疲れていたので、正直会うのも億劫でしたし…」 振るのなら、会うのではなく電話でして欲しかったという言葉は飲み込んだ。 「前々から思ってたが、恋愛に対して随分と淡白だな」 「…その自覚はあります」 合コンは昔1度だけ、大学生の頃に連れ出されて参加したことがある。 好きなだけ飲むこともできず、ただ騒ぐ空気感が苦手で、楽しむこともできずに終わったというなんとも虚しい記憶が残った。 それからは1度も、そういった恋人探しのようなイベントには参加していない。
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