変わってないよな…いや……違う

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おっひさー!!って声をかけてきたアイツ… 相変わらずチャラい。 五月蝿くて…チャラくて…とりあえずウザい。 だけど…まぁ……面白いから…絡んでる。 「久しぶりー!!」 一応…反応する。 俺が待ってんのはお前じゃなくて… ……………………あの人だよ………… 「なぁなぁ…後来てないのは?」 ………見れば分かるだろ……… 「……先輩だけまだ来てない……」 そう…俺が待ってんのは先輩。 バスケの先輩。憧れの先輩。 あの人の様になりたいと思った。 ……あー…早くあって話してぇな…… 「先輩かー…もう置いていこうぜ!!待ってるの嫌」 「馬鹿かよ。先輩置いてくとか…」 ほんとにお前って奴は…… 置いていこうぜって言ったこいつと話してる時に 頭上から声が聞こえた。 「…お前ら…大人になっても喧嘩してるのか…」 「ぁ…………」 「喧嘩なんてしてないっすよ!!」 確かに…喧嘩はしてない。 「そうか…まぁ…二人とも…元気そうだな」 先輩は俺らの頭をワシャワシャと撫でた 「わわわ…先輩!!ストップ!!セットが崩れる!!」 「先輩……髪抜ける…」 セットとか…今、関係ねぇだろ馬鹿。 髪の間に指が絡まっても撫で続ける先輩。 痛い………… 「久しぶりに会ってなんかな…撫でたくなった」 この人は…もう……昔と変わってない… 「先輩……そろそろセット崩れまくって 俺…貞子になっちゃいます…」 「貞子!?…………ぁ……」 「ぁ……貞子だ。」 チャラいアイツは髪を伸ばしていてグシャグシャになった髪が垂れて顔にかかり貞子の様な 姿になっていた。 「ハハハッ!!ほんとだな、貞子だ!!」 先輩は腹を抱えて笑う。 この人の笑う姿って眩しいんだよな~ 「はい…鏡…これ見てある程度セットしろ…」 「ぉ!!サンキュ」 鏡をもって髪をセットし始める。 「お前…なんで女見てぇに鏡もってんだよ…」 「就活中で髪が乱れてたらダメでしょ」 「あーそうか……もうそんな年か」 「はい…もうくたくたです…疲れました」 「そんな事言わずに頑張れ!!これからが勝負だろ!! 就活成功したら初給料で飲みにいこうぜ!!」 …この人…一言余分… 「分かりました…でも…一杯だけですからね」 先輩は太陽の様な笑顔を俺に向ける あれから4年。それぞれ変わっても 変わってないところも当然あって 変わってないところを見ると安心する 俺は今物凄く幸せだ。
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