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白月とて、鬼がどのようなものであるか知らない訳ではない。ただ文献で見たものとあまりにも容貌が違った為、鬼と言われても理解し得なかった。
「でも、角がないよ?」
その言葉に、自称『鬼』と宣う彼はむっと口を尖らせ、
「おいガキ、鬼だからって必ず角がある訳じゃねぇんだよ」
不満げな彼の口振りに白月は「ごめん」と肩を落とす。だが、それと同時にここへやって来た思い出し訊いてみた。
「あの……鬼さん、いつも僕のこと見守ってくれてたんだよね?」
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