逢魔が刻

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   真っ直ぐに視線を送る白月に対して言葉を返せないでいると、 「やっぱり! 鬼は鬼でもいい鬼さんだ」 「『鬼』、『鬼』って何度も言うんじゃねぇ、ガキ」  あまりにも屈託のない白月の言葉に、彼はすっかり毒気を抜かれたとそっぽを向き、軽く舌打ちする。 「でも……」  白月は戸惑っていた。なぜならば『鬼』以外の彼の名を知らない為、そう呼ぶしかなかったから。 「黒陽」 「えっ?」  
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