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幼いながらに弥一の言葉を理解した白月は、ひゃっと身を竦める。
「僕、食べられちゃうの?」
着物の袖を掴み、今にも泣き出しそうな白月。それを見て弥一は、可愛らしい方だと含み笑い言う。
「大丈夫ですよ。白月坊っちゃんには弥一がついておりますゆえ」
「さ、帰りましょう」弥一はそう言って再び歩き始めた。
また同じ山の方向から視線を感じ、恐る恐る振り返ってみると、遠く山裾に黒い人影がぽつんと立っていた。
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