ままにならぬが浮世の常-2-2

12/25
前へ
/25ページ
次へ
「え……」 目の前の気の毒そうな苦笑いに、何か背筋がひやりとして頬が引きつった。 え、私、なんかやった? 「俺もなー…あの過程があったからこそ、あの状態だったわけでだな」 「ちょ…私なにやった?教えてよ」 「言ったらお前さすがに凹みそう」 「いいから教えてってば!」 目の前でわざとらしく唇を歪ませているところで。 膝の上の私の携帯が振動して着信を知らせた。 俯いて画面を見れば、それは相田先輩で。 ちょうどいい、先輩に聞こう。 そう思い口元を抑えて一応周囲に目を配ってから電話に出た。 休日の朝、人もまばらだった。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1599人が本棚に入れています
本棚に追加