女の専売特許とは

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少し前を歩く矢野さんが、急に笑いながら振りむいた。 「倉本は随分遠慮するんだな。少しくらい図々しくおねだりすればいいのに」 「あっ、ひどい。それって私が図々しいってこと?」 私と間宮のレジでの攻防をしっかり見られていたのだろう。 あの私の可愛げのない態度が「遠慮」に変換されているのは助かるけど。 隣で先輩が拗ねてしまったので、反応に困ってしまった。 「ほらな。ヘンに意地張るから」 「だって私らホントは違うのにいらんことするからじゃん」
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